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2008年5月13日 (火)

メモ:不正競争防止法上の誤認惹起行為の罪と詐欺罪とは観念的競合

大阪地判平成20年4月17日裁判所HP
(以下ではこのうち、「罪となるべき事実」の第2に着目する。)

岡山県産コシヒカリ等を混合したものを「平成17年産新潟県コシヒカリ100%」と表示して販売した行為が、不正競争防止法違反の罪と詐欺罪に当たるとして起訴された。

大阪地裁は両罪の罪数関係について、

判示第2の不正競争と詐欺は1個の行為が2個の罪名に触れる場合であるから,同法54条1項前段,10条により1罪として重い詐欺罪の刑(ただし,罰金併科に関しては不正競争防止法違反の罪について定めたそれによる。)で処断することとし

と述べており、観念的競合の関係にあるとする。

同様の事案であるミートホープ事件(札幌地判平成20年3月19日裁判所HP)では両罪は併合罪として処理されているが、これは事案の相違によるものであろう。

すなわち、ミートホープ事件では、平成18年5月29日ころから平成19年6月18日ころまで前後327回にわたり偽装表示が行われており、詐欺については平成18年6月ころから平成19年5月上旬ころまでの間の前後14回の欺罔行為が問題となっている。
これに対し本件は、そもそも産地偽装品を売ろうという目的で平成18年9月1日ころ偽装表示を行い、それを9月7日に売って、12月29日に代金を交付させたという事案である。

観念的競合とは「行為者の動態が社会的見解上一個のものとの評価を受ける場合」に認められるとする判例を前提とすれば、本件はまさに一つの意思決定によって一連の流れとしてなされたものであるから、社会的見解上一個のものと見うる事案であったといえよう。
これに対し、ミートホープ事件では、327回の偽装と14回の詐欺とがこのような密接なものだったのかどうか、はっきりとしない。

ということで、結論の違いについて一応の整理をすることができるのではないかと考えられる。

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